大学受験の過去問をいつどのように解いたらいいですか?時期別に詳しく教えてほしいです。
こんな疑問に答えます。
過去問は、志望校に向かって勉強するために必要なアイテムです。
目的なく受験勉強をしていると、途中でなぜ勉強しているのか分からなくなることもあります。
過去問で全体像を掴んでおけば、目的を見失わずに受験勉強にも集中できるでしょう。
なのでこの記事では、「大学受験の過去問を時期別でやっておきたいこと」を紹介します。
最後までお読みいただき、実践してみてください。
春に過去問でやっておきたいこと
春の時点で過去問でやっておきたいことは、以下の通りです。
- 過去問を3年分見ておく
- 併願校の過去問も見ておく
- 夏休み中までに頑張りたいことを書き出す
順番に見ていきましょう。
その①:過去問を3年分見ておく
まずは受験勉強を始めると決めたら、過去問を3年分みておきましょう。
昨年と2年前の過去問は飛ばして、その前の3年分の問題に目を通してみましょう。
この時点で問題を解くというよりもどんな問題形式か確認することがメインです。
英語の過去問を例にとって挙げてみると、以下のようになります。
- 英長文:2題出題
- 英文法:大問1つで10問の選択肢
- 英作文:80字の自由英作文
こんな感じですと、長文の練習をメインにしつつ、英作文の対策もしないといけないなと思います。
英文法は選択肢から選べたら問題ない訳ではなく、英作文のために書く必要があることが分かります。
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大学受験の過去問の分析の仕方と分析する上で注意することとは?
その②:併願校の過去問も見ておく
春の時点で第一志望の大学だけでなく、併願校の過去問もみておくことをおすすめします。
抑えの大学ということなので、行きたいというよりは、問題が解きやすそうという視点も入れてください。
早い段階から抑えの大学まで意識しておくと、直前に焦ることが少なくなります。
併願校を早いうちに決めておく理由
- どの科目への配分や出題範囲など意識して勉強できる
- 受験直前に決めると客観的に見れない
- 直前期に余計なことを考える必要がない
受験直前期はやることもたくさんあり、メンタル的にも下がってしまうことが多いです。
そのため、冷静な状態である今の時期から併願校の候補だけでも知っておきましょう。
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併願の大学をどうやって選ぶ?受験開始前に決めておく理由とコツ
その③:夏休み中までに頑張りたいことを書き出す
春の時点だと、過去問を見ても全く分からないか、課題が多すぎて焦ってしまうでしょう。
むしろ最初の状態に課題を知らずに、のんびりと勉強している方が後々痛い目を合いそうですが…
やることが見えてきたなら、一旦夏休み中までに頑張りたい・改善したいことを決めましょう。
おそらく最初にやらないといけないことは、基本的で大事な語句や公式の暗記・理解でしょう。
- 英単語・古文単語・漢文の句形
- 英文法・古典文法
- 数学の公式・漢字
夏休みまでは、基本事項の確認からじっくりと演習に移っていくことがおすすめです。
夏に過去問でやっておきたいこと
夏の時点で過去問でやっておきたいことは、以下の通りです。
- 苦手科目は基礎をメインで勉強
- 得意科目は大問別で演習を開始
- 秋以降の勉強の流れを過去問で確認する
順番に見ていきましょう。
その①:苦手科目は基礎をメインで勉強
夏になっても、基礎に自信がない科目があれば、基礎を優先的に勉強しましょう。
基本事項がしっかりとしていない状態で、演習問題や過去問メインの勉強しても定着する量は少ないです。
苦手な科目の中の得意な分野があれば、その分野の演習を開始することは問題ないです。
特に国公立志望の受験生だと、科目が7〜8科目あるので、全科目夏に仕上がっていることは珍しいです。
2次試験に必要な科目を優先的に、夏までに演習に取り掛かれるようにしておきましょう。
その②:得意科目は大問別で演習を開始
得意科目や受験で重要になる科目は、この時点から演習に取り掛かっていきましょう。
過去問を全範囲解くというよりは、大問別に問題演習することがおすすめです。
実際に過去問と同じ問題は出ることは珍しいので、参考書や問題書で理屈を理解した勉強を行いましょう。
この形式の問題では、どういうミスをするのか・何を理解していないか確認して覚えていきましょう。
- 計算ミス:どんな計算をミスしているのか?
- 英単語の読みミス:どの単語をどの単語と勘違いしたか?
- 古典の助動詞のミス:意味が取れなかったのか、訳せなかったのか?
人によって色々なミスの傾向があるので、自分なりにまとめておく必要があります。
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その③:秋以降の勉強の流れを過去問で確認する
受験当初は頑張っていても、夏以降になってくると、受験生でも少しダレてくる人がいます。
気持ちは分からないこともないのですが、一旦何のために勉強しているか確認しておきましょう。
過去問を見返すことで、今やらないといけないことをもう一度把握し、今後のやることも見えてくるはずです。
しっかりと課題が見えてきたら、そこから細分化して、実現可能な計画を作っていきましょう。
秋〜12月に過去問でやっておきたいこと
秋〜12月までに過去問でやっておきたいことは、以下の通りです。
- 全科目大問別で苦手範囲を潰していく
- 時間を意識して問題に慣れる
- 予想問題集に手を出してみる
順番に見ていきましょう。
その①:全科目大問別で苦手範囲を潰していく
夏からやっている人もいるかもしれませんが、秋からは苦手分野を潰していくことをやっていきましょう。
苦手分野があるということは、得意な分野もあるということです。
受験当初から成長している部分を噛み締めながら、苦手分野にも取り組んでいきましょう。
国公立志望者でも、秋からは、全科目演習メインの学習に取り組むことが理想です。
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その②:時間を意識して問題に慣れる
実際の試験には時間制限があり、その制限時間内に問題を解き切らなければいけません。
遅くても11月には大問別から全体を通す練習をしていけたらいいです。
毎日過去問全体を演習するというよりは、1週間に1回触れたら十分かなと思います。
- 平日(私立・国公立受験生):4時間半以上
- 土日(私立受験生):9時間以上
- 土日(国公立受験生):10時間以上
平日は学校もあるので、勉強時間を多くて4時間確保できたら十分です。
ただ目標の勉強時間というよりは、確保できる目安の時間として考えてください。
個人的には、勉強時間が長ければ長いほどいいと思っていません。
その③:予想問題集に手を出してみる
過去問が一通り終わったのであれば、予想問題集に進みましょう。
予想問題集がない人は、併願校の試験や出題形式が似ている過去問を解きましょう。
予想問題をしっかりと演習をしていき、過去問と同じ形式の問題に慣れていきましょう。
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過去問を利用する際の注意点
過去問を利用する際に注意するべきことは、以下の通りです。
- 過去問の数だけにこだらない
- 過去問を使う目的を把握する
- 過去問の復習を2周以上しよう
順番に解説していきます。
注意点①:過去問の数だけにこだらない
周りが過去問ばかりを解いているからといって、数にこだわる必要はありません。
実際のところ過去問ばかりを解きまくっていても、成績が伸びない人もいます。
- 過去問に載っている解説量が少ない
- 過去問を解くアウトプットしかしていない
- 基礎がついていなかったら成長しない
- 受験する大学によって傾向が違う
自分の中での過去問を解きまくる理由は、演習して問題形式に慣れるためだと思っています。
まだ他の課題がある内は、過去問よりもそちらの課題を優先的に勉強しておきましょう。
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注意点②:過去問を使う目的を把握する
過去問を使う理由は、主に3つあると思います。
基本的に、傾向を掴むのは春頃にして、課題の分析は夏以降に行いましょう。
過去問の形式に慣れるのは、主に秋以降がメインなると思います。
過去問だけでなく、予想問題も一緒に利用して問題に慣れていきましょう。
それ以外で、周りの人や先生が言ってるから過去問を使っている人がいれば注意が必要です。
自分が何のために過去問を使っているか把握していなかったら、ただの時間の無駄になりかねません。
注意点③:過去問の復習を2周以上しよう
大学入試の試験問題は基本的に難しいことがほとんどです。
マーク式ではやり直しを2周で、記述式は3周復習することをおすすめしています。
マーク・記述式のやり直しのタイミング
- テスト直後(マーク式):解き方の確認
- 受験直前期(マーク式):解き方の再確認と再現できるか思考
- テスト直後(記述式):解き方・書き方の確認
- テスト1ヶ月後(記述式):解答の再現
- 受験直前期(記述式):再現できるか再確認
そのためにも受験1ヶ月までからは、演習よりも復習をメインの勉強に切り替えましょう。
1ヶ月前には、演習をしなくていい状態にするために計画的に過去問を行いましょう。
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大学入試の過去問の復習の仕方解説!共テ・2次試験別で何周する?
まとめ:過去問のロードマップ
「過去問のロードマップ」を解説しました。
過去問は解くだけではなく、やり直しをして課題を出すことまでが大切です。
過去問を解きまくっても、大学試験に合格できるとは限りません。
足りないものを把握して、日々修正していくことで、過去問の点数も伸びていきます。
もし時間に余裕がないならば、過去問よりも日々の基礎固め+演習を優先してみてください。